中古車の軽自動車は割高な価格設定
通勤通学やセカンドカー的なカンジで軽自動車に乗っている方は多いと思います。
価格や燃費、メンテナンスを含めての維持費なども普通乗用車に比べて安く済みますね。
とにかく用途が限定されているので安く済ませたい!という車選びをする場合、中古の軽自動車を検討される方は多いと思います。
私も軽自動車を複数所有していますが(自分でも思いますが車多すぎです。ポンコツばかりですが)
しかし中古車で軽自動車ばかりを購入して乗り継ぐとトータルでかなり損をする可能性があります。
皆さんの車の状態や購入価格など様々なので一概には言えませんが、今回は私の顧客のケースを書いてみたいと思います。
数年に一度、中古車の軽自動車を買い替えていた
私の顧客、Nさんのケースです。
別の顧客の紹介で私から新車の軽自動車を買って頂いていて、これまで非常に損をしていたことに気付いたそうです。
結構細かく知りたい方のようで、色々な質問をされ、商談には非常に時間がかかりました。
都合2か月、6~7回の商談で契約を頂きました。
ただ、そのおかげでとても信頼してくださり、車から保険まですべてお任せ頂いています。
ちなみにお母さんにもかなり好かれているみたいです、私(笑)
Nさんから話を色々と聞いていて、「こういった方多いんだろうな」というふうに感じました。
プロフィール的な内容を書いておきます。
・30代後半の独身女性
(年齢の割にはだいぶ若く見えてちょっとかわいいカンジです。この情報いらないですね(笑)
・母親と同居
・通勤には車は使っていない。休日しか使わない
・買うのはいつも中古の軽自動車
・いつも30万から50万くらいの価格
・だいたい3年から5年くらいで買い替えている
・カジクンはNさんからは絶大なる信頼を獲得(笑)
・お母さんもカジクンのことが大好き(苦笑)
こういった乗り方をしていた方です。
もうこの時点でかなり損だなってわかる人ならいいんですが、問題の部分を解説していきましょう。
買うのはいつも中古の軽自動車、50万円以内
中古の軽自動車というのは、年式や走行距離といった車の状態からして割高になる傾向があります。
なぜなら30万から50万円というのは、中古で軽自動車を販売する下限の金額だからです。
程度としては良くない車が多いです。
わが社に中古の軽自動車をお求めに来店されるお客様で多いのが、「50万円以内で買える軽自動車ないですか?」というような方です。
通勤、通学、普段の近所の買い物くらいにしか使わないから、中古の安い軽自動車が欲しい、という方々ですね。
Nさんもそういう風な考えでした。休日しか乗らない、という用途が限定された使い方です。
もちろんその考え方は間違いではないと思います。使用頻度や用途を考えて予算を抑える。そのとおりだと思います。
問題はどんな車を選ぶか、というところなんですよね。
車の買替サイクルが3年から5年
これってアウトですよね。
休日しか使わないモノに3年から5年で数十万かけて買い替えている。大損です。
ただ、Nさんは最初に買った中古車が3年ほどしか持たなかったそうです。車検で大きな費用が掛かるから買い替えたとの事。
次に買った車は事故で大きな被害が出てしまったけど、全損扱いで修理費全額は出ずにまた買い替えることになってしまった。
(対物保険の修理金額はその車の時価額が上限です。古い車だと修理費が時価額を上回ってしまい大きな損失が出てしまいます。対応策は2つ、相手側の対物全損修理差額費用特約をつけるか、自分の車両保険でカバーするか、なんですが、Nさんの時はどちらもかかっていなくて泣く泣く買い替えたそうです。このあたりは別の記事で保険の解説をしながら詳しく書きたいと思います。)
新車を買う直前の車は、3年ほど乗ったがエアコンが壊れてしまい、高額の修理費がかかると言われ新車を検討し始めたそうです。
こういった経験から中古車は3~5年で買い替えるものだと思いこんでしまっていました。
結構不運続きですよね。でもNさんにも問題があります。
程度の良くない軽自動車を乗り継いでしまった
Nさんの問題は程度の悪い中古車を乗り継いでしまったことです。
3年乗ったくらいで高額な車検費用が掛かってしまう車、事故でほとんど時価額がつかないような車、3年でエアコンが壊れてしまう車など、良くない車ばかり選んでしまっています。
そんな車を買ってしまう本人の選び方にも問題はありますが、価格帯から考えるとそういった程度の悪い車も多いのかな、という風に感じます。
ちなみに新車を買う直前の車、つまり下取車は年式は古かったのですが、グレードとしては上位のもので、50万円くらいで買ったそうです。
この選び方、問題なんですよね。
50万円の中古車の仕入れ価格は?
中古車販売店で総額50万円とすると、仕入れ価格はおよそ0~20万円と考えられます。
実際の車の価値としてはタダ同然~20万円ということです。
そして商品化するまでの整備費用が概ね10万円以内というところでしょうか。
そういった車が販売価格としては30万円~50万円となります。
おそらく一台あたりの利益は平均20万円といったところでしょう。(軽自動車の場合)
高いと思いますか?ボッタくりでしょうか?
商売なのでしょうがないですよね。中古車販売店も人件費や土地建物光熱費などの固定費が発生します。
最低でもそのぐらいの利益をとらないと経営していけないでしょう。
こういった事情から、30万円台の価格の車なんてタダ同然の車です。
私がもし30万円台の軽自動車を買うなら、車検が切れるか、もしくは数万円単位の修理が発生した時点で処分します。
中古車販売店で30万円以下の車なんて現状渡し、保証なしとかが多くありませんか?
つまりはその程度の価値しかないものです。数万円かけて修理したとしてもどこかしら不具合が発生するでしょう。
まぁ、実際には買うことはありませんが。
では低価格の軽自動車を買う時にはどうやって車選びをすれば良いか?
同じ価格で迷ったら、年式が新しく走行距離が少ない方を選んだ方がいい
当たり前のことのように聞こえますが、意外とこれ出来てません。
例えば同じ50万円の車が2台あったとします。
・A車・・・3年落ち、3万キロ、新車価格90万円(新車時最安のグレード)
・B車・・・6年落ち、6万キロ、新車価格150万円(新車時上級グレード、修復歴有)
どうでしょうか?程度が良いのはA車だとわかっていても、見た目や装備が良いB車を選んでしまう方も多いのではないでしょうか?
良く聞くのが「ちょっと古いけど新車だったら○○○円する中古車を○○円で買った!」と上級グレードを買った事をアピールする人。
あなたのまわりにもいませんか?
否定するわけではありません。年式が古くてもその車のそのグレードが欲しい人は安く手に入れることができて嬉しいでしょう。
ですが今回はあくまで「通勤、通学や近所の足」としての軽自動車購入です。
グレードにこだわるよりも車の故障などのトラブルを避ける為に少しでも程度の良い車を選ぶべきです。
更に年式の新しい車を選ぶということは、もし買い替える時に下取りや売却で差がつく可能性があります。
中古車を買う時は予算の中で少しでも新しい車を買うべき
Nさんに話を戻します。
Nさんのこれまでの車選びで失敗したポイント
年式の新しい車を選んでこなかった
そのため故障などが起きる可能性が高かった
事故の時にも時価額が低い(年式が古い)為損をしてしまった
買い替える時も年式が古い為下取、売却で金額がつかなかった
一番重要なのは古い車を買ってしまっている、ということです。
Nさんほど続けて失敗してしまう例も珍しいですけどね。
今では私から新車を購入して頂き、保証なども含め新車で5年間、最長で7年間、大きな出費がでることが無い様にプランを説明し、保険の内容もしっかり私が見直しして入り直して頂いています。
「安心して車に乗れる」ととても喜んで頂いています。大事にして10年乗る!とおっしゃっていました。10年乗られると私が困りますけどね(笑)。定期メンテナンスもキッチリ入って頂いています。セールスとしてなかなかの仕事ができたのではと自負しています(笑)
中古軽自動車購入のポイント
通勤通学などで安くてもいいから足がわりに、と中古車を選ぶ場合
割り切って低グレードでもいいから少しでも年式の新しい車を選んだ方が良い
そのほうがトラブルに見舞われる可能性も下がるし、買い替えるときに値段がつけられる可能性が高まる
少しでも車選びの参考になれば幸いです。