年末年始はお買い得?
もうすぐ12月。小売業では年末商戦と言われる時期ですね。
自動車ディーラーも自動車小売業。
年末年始はメーカーCM、お買い得な購入キャンペーンなど、力を入れてくる時期ですね。
売る側としては売りたい時期。
では購入する側としてはお買い得なのか?
年末は安く車を買うことができるのか?
ディーラーセールスとしてのこれまでの経験、考え方を書いていきたいと思います。
年末は新車、中古車を安く買いやすい時期
これまでのこれまでの考え方として、夏のボーナスや冬のボーナス時期は、ボーナス商戦として、小売業にとっては拡販期とされてきました。
しかし、それはひと昔、ふた昔まえのこと。
少なくともカジクンが勤務して十数年、「やっぱりボーナス時期だから車を買うお客様が多いな」と感じたことは一度もありません。
それどころか入社してからしばらくの間、12月は車が全然売れない月、という認識がありました。
ところがここ7~8年のこと。
車の売れ方が変わってきたように思います。
というか売り方を変えてきたように思いますね。
メーカー側が年末年始にとても力を入れてくるようになってきました。
売りにくい時期であるのは変わりませんが、売りやすい=お客様が安く買える、状況になっているような気がします。
なぜ車の売り方が変わってきたのか?
これはカジクンの個人的な考えですが、各メーカーとも状況は違えど、過剰に在庫を持つことを控えているように思います。
それと、あの東日本大震災で、自動車関連の工場が大打撃を受けました。
数か月以上まともに在庫が供給されないことが続きました。
自動車は様々な部品が使われています。
たとえ車自体が組みあがり、今すぐ走り出しそうなものでも、たった一つの部品が欠けると完成ではありません。
そして自動車は多くの部品を下請けなどから供給を受けています。
そういった工場が被害を受けてしまうと、車を完成させることができずに不良在庫となってしまいます。
いや、完成していないのだから在庫でもありません。
そういったことが起こるリスク低減、財務上の正常化も兼ねて、過剰在庫を抑えるようになったのではないかと思います。
皆さんも感じたことはありませんか?
10年~20年前は新車を買ってもひと月くらいでは届いたのに、今や3か月まちは当たり前。
長いものだと半年から一年以上の待ちになることも珍しくありません。
では昔と比べてたくさん売れてるから在庫が足りないのか?
全くそうではありません。
自動車の販売台数はおおむね右肩下がりです。
車の供給が遅いのは、単純に在庫を減らし、受注生産にしているからなのです。
年末年始で受注を取っておいて3月決算に備える
自動車ディーラーはナンバー登録が実績となります。
そして3月はメーカーの決算。
多くのディーラーはメーカーの連結子会社なので3月は大事な月となります。
そこで、ナンバー登録できる受注済みの車が多く必要になります。
先に説明した在庫事情を考えると、年末年始からどんどん売り始めてナンバー登録できる(受注済みの)契約を増やして行かないといけないのです。
その為には3月から慌ててセールをしても間に合いません(在庫の生産問題もあるため)
2月でも遅い、そこで年末から大きく動き始める、といったところでしょう。
同じ年末セールでも、昔のボーナス商戦とは意味合いが違う、というのがカジクンの考えです。
年末年始はメーカー側も販売キャンペーンを打ち出してくる
たとえば。
オプション○○万円円分のクーポンプレゼント!とか
購入資金○○万円分プレゼント!とか
ナビが半額!とかナビプレゼント!とかですね。
テレビCMで大々的にやってるようなものはほとんどメーカー側のキャンペーンです。
(中には違うモノがあるかもしれません。全国各地のCMを見てるわけではないので・・・)
それに合わせて販売するディーラー側も値引きキャンペーンを打ち出してきます。
年末年始だと、そういったメーカー側、ディーラー側の両方とも値引き額の多いキャンペーンを打ち出してきます。
なのでそういったことが重なりやすい時期が、車を安く買える時期なのです。
お客様からすると、どのキャンペーンがメーカーの施策なのかディーラーの独自キャンペーンかわかりにくいかと思いますが
先に書いたように全国CMで流れているものがメーカーキャンペーン、という程度には覚えておいた方がいいでしょう。
〇〇ホンダ(〇〇は地域名)とか〇〇トヨタ、とかつくようなものはディーラー独自キャンペーンということになります。
年末年始だとそういうものが重なりやすいのでぜひ利用して安く買いたいものですね。